玉川大師の情報
玉真院または玉真密院は、通称玉川大師として親しまれていて平日でも多くの参拝客が訪れます。比較的新しい真言宗のお寺ですが玉川八十八ヶ所霊場五番札所になります。ここは一般の参拝客でも本堂に入り参拝することができますし、御朱印も本堂内で頂けます。ここは本堂内から階段で降りた地下に地下霊場があります。階段を下りると真っ暗闇の廊下を壁を伝って進みます。ちょっと怖いですが、頑張って前に進むと次第に明るくなり、通路の両側には四国八十八ヶ所霊場と西国三十三ヶ所のお大師様、観音様などが一堂に請来されていて、不動など諸々の石仏三百尊体が安置されています。なかなか壮観です。長野の善光寺にも、お戒壇巡りという真っ暗な地下を壁を伝って45mも歩く場所があります。善光寺は最初から最後まで真っ暗だったので本当に怖かったです。善光寺に比べたら、良心的です(笑)。ここは二子玉川駅から少し離れた高級住宅街にあり、狭いエリアには同じ真言宗の寺院や日蓮宗の寺院、神社、キリスト教系の教会などの宗教系建築物が点在していますので、様々なご利益を得られそうです。
山号 | 寶泉山(ほうせんざん) |
院号 | 玉眞院(ぎょくしんいん) |
寺号 | ー |
宗派 | 真言宗智山派 |
ご本尊 | 弘法大師 |
ご真言 | 南無大師遍照金剛 |
最寄り駅 | 1.東急田園都市線・二子玉川駅より徒歩9分 2.東急田園都市線・用賀駅より徒歩16分 |
住所 | 世田谷区瀬田4-13-3 |
HP | あり |
備考 | 【玉川八十八ヶ所霊場】五番札所 【関東三十三観音霊場】十番札所 【特徴】地下霊場に三百尊体の石仏を安置 |
奥の院 地下霊場遍照金剛殿の情報
本殿に上がると案内してくれる職員さんが居るので、指示に従ってご本尊に参拝(御朱印を頂く場合には、この時に御朱印帳を渡しておくと地下霊場から戻った時には御朱印が完筆されています)した後、地下霊場の遍照金剛殿へ階段で降りていきます。階段から地下霊場に進むまでは真っ暗闇で何も見えません。本当に真っ暗です。しかしスマホなどで照らしてはいけないので、壁を伝って進みます。地下霊場は明るいです。多くの石像が安置されていますので、別世界に行ったような感覚になります。次の項で紹介している「多摩川遍路-玉川八十八ヶ所霊場案内」の中でも「思わず南無大師遍照金剛を唱え仏にすがる心を呼びおこします。」と新田明江氏が書かれていますが、その気持ちがよく分かりました。私もそうでした。真言宗のお寺で「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこおんごう)」と人に聞こえるような声を出して唱えたのは初めてでした。しかも立ち止まったり戻ったりしながらなので、他の参拝者に「ぎょえ!」っと思われたかもしれません(笑)。都内にこのような空間があるとは思っていませんでした。是非、多くの方に参拝してほしいですね。
参拝時間 | 9:00~16:30 |
参拝料 | 500円 |
注意事項 | ◎一辺の明り(懐中電灯・ローソク等)を禁ず ◎静寂を保ち「南無大師遍照金剛」と念じる ◎土足を禁ず |
玉川大師の縁起
【多摩川遍路-玉川八十八ヶ所霊場案内】による縁起
昭和初年開創のお寺である。境内四四〇坪、特別大きなお寺ではない。本堂四〇坪、客殿、庫裡、地下仏殿五十坪(昭和九年竜海建)、寺宝、石仏三百体(昭和初期作)。
玉川大師玉真密院と称し、竜海和尚の開創である。地下仏殿は本堂より及んで境内の地下深くに建立され、四国八十八ヵ所と西国三十三ヵ所お大師様、観音様の霊場が悉く一堂に請来、不動など諸々の石仏三百体にのぼる。
昭和の開創というので金ピカの仏様を考えていたが、石仏であることと、地下の暗い所であるため、思わず南無大師遍照金剛を唱え仏にすがる心を呼びおこします。五月、十月(21~23日)にはお砂ふみ修行を行う。
多摩川遍路―玉川八十八ケ所霊場案内.新田明江著.1989より引用
境内掲示による略縁起
玉川大師は高野山奥之院の清流「玉川」に縁み
此の地に開山龍海大和尚大正十四年大師堂建立
昭和三年より六年の歳月をかけ地下佛殿完成。
地下佛殿は御本尊弘法大師の大慈悲を具現する。
遍照金剛殿にして本堂より境内一円に及ぶ地下の参道は
巨大な大日如来の胎内、胎蔵界マンダラをかたどっている。
特に奥之院には四國三十三ヶ所霊場を悉く請来され四国遍路と西國巡礼さながらに巡拝修行の結縁が授かる道場である。
石佛、大理石、御影石像
三百数尊体安置
内拝は九時より五時迄
當山
玉川大師境内掲示より
資料からいえること
以上の資料から読み取れるのは
- 昭和初期開創の比較的新しい寺院である
- ご本尊は弘法大師様である
- 地下仏殿の落成に六年の年月を費やした
- 地下仏殿に三百体に及ぶ石仏が安置されている
- 地下霊場に参拝すると、四国遍路と西國巡礼の巡拝修行の結縁が授かることができる。
玉川大師の写真
今回は、FUJIFILM X-T30に、XF35mmF1.5と、XC50-230mmを鞄に詰め込んで写真を撮ってきました。本堂内・地下霊場は撮影できませんが、春の日差しに梅の花がほころび始めた良い季節でした。
◎玉川八十八ヶ所霊場四番札所・成就院についてはこちらをご覧ください。