真観寺

真観寺本堂 玉川八十八ヶ所霊場
真観寺本堂

 玉川八十八ヶ所霊場二番札所真観寺に、2019年の残暑厳しい9月の平日にJR南武支線(通称:浜川崎線)の小田栄駅から歩いて参拝して参りました。

 真観寺は川崎市川崎区の追分の交差点の近く、大通りから一本入った静かな住宅街にありました。

 通用口は大きく放たれていて清々しい気持ちで参拝することができました。通用門から入って左側に本堂へ抜ける通路があり、右方向に寺務所があります。

 通用口前には公園がますが、遊具で小さな子供たちが遊び、その様子をベンチから母親や高齢者が見守っています。その光景を見ていると、こちらもゆったりとした平和な気持ちになります。

真観寺通用口
真観寺通用口

真観寺の情報

真観寺山門
真観寺山門

真観寺の基本情報

山号大嶋山
院号般若院
寺号真観寺
宗派真言宗智山派
ご本尊聖観世音菩薩
ご真言おんあろりきやそわか
住所川崎市川崎区大島2-10-16
HPなし
備考【玉川八十八ヶ所霊場】二番札所 
【東国八十八ヶ所霊場】三番札所 
【東海三十三観音霊場】四番札所 

 

真観寺へのアクセス

 健脚自慢の方は歩いても良いと思いますが、真観寺は最寄り駅が遠いのでバスを利用するのが賢明かと思います。

 バス使用の場合所要時間
JR川崎駅より
  ①川22系統・三井埠頭行
  ②川24系統・鋼管循環
いずれか乗車し
追分バス停より徒歩2分
川崎駅より13分
 徒歩の場合(パターン1)
JR南武支線小田栄駅より
「富士見鶴見駅線」という道路を歩
いて
徒歩17分
小田栄駅より17分
 徒歩の場合(パターン2)
JR川崎駅より
「新川通り」を歩
いて
徒歩25分
川崎駅より25分
 駐車場の利用
お寺には駐車場は無く、すぐ近くにコインパーキングがいくつかあります。

※アクセス情報は2022年3月現在の情報です。情報が古い場合があります。真観寺に行く場合には確認をお願い致します。

  

真観寺の御朱印

真観寺の御朱印2019
真観寺の御朱印2019

真観寺・金蔵院の御朱印
真観寺・金蔵院の御朱印

 左側が玉川八十八ヶ所霊場三番札所・金蔵院の御朱印で、右側が二番札所・真観寺の御朱印になります。この2つのお寺には昔、本末関係がありました。

真観寺の縁起

真観寺弘法大師像
真観寺弘法大師像

【新編武蔵風土記稿】による縁起

真観寺(眞觀寺)

 村の中央にあり、新義眞言宗神奈川宿金藏院末、大嶋山般若院と號す、開山は眞觀法印、天長三年二月三日に寂すと云傳ふれども、年經し事なれば今よりは定かなることは知べからず、客殿五間四方南に向ふ、門兩柱の間九尺本尊正觀音を安ず、立像にして二尺五寸なり、墓所、見捨地二畝十二歩、眞觀寺の續にあり、其所に二間四方の寮を建り、もと觀音堂の地なりと土人いへり、

大日本地誌体系 新編武蔵風土記稿 第三巻 P322 雄山閣 昭和五十六年三月五日発行
新編武蔵風土記のざっくり訳

真観寺

 橘樹郡川崎領大島村の中央にあり、新義真言宗で神奈川宿にある金藏院の末寺で、大嶋山般若院と号す。開山は真観法印で天長3年2月3日(西暦826年)に亡くなったとされているが、年月が経過しているので不明である。客殿は五間四方で南向き、門柱の間九尺(約2.7m)にご本尊として正観音を安置している。立像で95cmである。墓所・公租公課除外地72坪が真観寺に属し、その場所に3.6m四方の寮(おそらく僧侶が勉強したり寛ぐ場所のこと)が建っていた。元は観音堂の場所であったと土地の者が言っていた。

以上、誤訳は平にご容赦。

まめ知識

 神奈川宿(現:横浜市神奈川区)とは橘樹郡に設置された宿場町で、日本橋を起点とした東海道五十三次の三番目の宿場町として整備された(1番・品川宿→2番・川崎宿)。

まめ知識

 末寺とは、大本山・本山・本寺に支配されたお寺。江戸時代には幕府が寺院支配を強化する為に本末制度を確立させたといわれている。

 新編武蔵風土記稿によれば、真観寺は金藏院の末寺とされていますが、金藏院(玉川八十八ヶ所霊場三番札所)よりも開山は古いですね。古いお寺の方が権威があるのかと思っていましたが、今後、そのあたりも調べていきたいと思います。

【多摩川遍路―玉川八十八ケ所霊場案内】による縁起

 このお寺は弘仁五年(八一四)真観法師の創立であり、安政年間(一八五四~一八五九)に焼失。大正十二年(一九二三)震災で倒壊。昭和二十年の戦災で焼失。昭和二十九年本堂を再建。昭和三十八年に庫裡を再建している。昔、源頼朝の命により義経の一周忌を行ったことにより鎌倉幕府から寺領を賜ったと伝えられている。大島山真観寺の金字額は光り輝き、しめ縄をはった大木はいかめしい。本尊は釈迦如来。東国八十八所の第三番で、修行大師、更には無縁塚もある。

多摩川遍路―玉川八十八ケ所霊場案内.新田明江著.1989より引用

※上記資料で新田明江氏は、本尊を「釈迦如来」としている。

以上の資料からいえること

● 真観法師(真観法印)という僧が西暦814年から826年に創建した歴史のあるお寺である。

● 源頼朝の命により義経の一周忌を行い、鎌倉幕府から寺領を頂いている。

● 本尊は正観音(95cmの立像)

● 神奈川宿にある金藏院の末寺であった。

真観寺写真

 今回は、2013年に発売されたナノミラーレス機のPENTAX Q7といくつかの純正レンズを持ち出し、写真を撮ってきました。

寄り道情報

追分まんじゅうで有名な和菓子店【多摩川菓子店】

川崎市民のソウルフード」と勝手に私が思っている追分まんじゅうを売っている多摩川菓子店がお寺のすぐ近くにあります。看板には追分まんじゅうと書いてあるのですぐに分かります。一個で結構おなか一杯になります。是非ご賞味下さい。

追分まんじゅう
多摩川菓子店

大島劇場

 私もまだ劇場に入ったことはないです。住宅地に忽然と現れる大衆演劇。興味をそそられますね。真観寺の本当にすぐ近くにあります。

大島劇場
大島劇場

ともログ後記(私感)

 どこの街中にもあるような一見普通に見えるお寺でも、教科書に出てくるような歴史上の人物が絡んでいることがあるんだな~と思いました。今回訪れた真観寺源義経の一周忌が行われた場所なんて普通の人は知らないですよね。ネットで調べても出てきません。

 源義経のお墓の所在地は不明らしいですが、奥州追討の後、頭部は首実検の為に鎌倉に送られてきましたが、首塚は現在は無く、御霊は白旗神社(神奈川県藤沢市)に祀られているらしいです。また胴体を埋葬したといわれている胴塚は判官森はんがんもり(宮城県栗原市)の山頂部にあるらしいです。

 この記事をリライトしてアップした2022年の大河ドラマは「鎌倉殿の13人」です。ここでは、菅田将暉が源義経を演じていますが、サイコパス的で何となく不気味な人物として描かれていますね~。まん延防止等重点措置が解消された後、義経にゆかりのある場所にも出かけてみたいものです。

ご覧頂きありがとうございました。